離婚したくないのに離婚請求されている方へ

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離婚したくないのに離婚を要求されたときには、どのように対処すれば良いのでしょうか?

その場合、あなたに有責性や離婚原因があるかどうかにより、対処方法や考え方が変わってきます。

今回は配偶者から離婚を切り出されたとき、離婚しないためにどうすれば良いのか名古屋の弁護士がご説明します。

有責性がある場合の考え方

有責性とは

配偶者に離婚を切り出されたとき、あなたに「有責性」があれば要注意です。

有責性とは「離婚原因を作った責任」です。たとえば配偶者以外の人と不貞(不倫)をした、配偶者へ暴力を振るった、モラハラ行為を行った、生活費を払わなかった、などの事情が有責性となります。

有責性があると訴訟で離婚が認められてしまう

あなたに有責性がある場合、相手はあなたに対して法的に離婚を求められる状態となります。つまり相手が離婚訴訟を起こせば離婚が認められてしまうということです。いくら離婚を拒絶しても相手が最終的に離婚訴訟を起こせば、強制的に離婚させられてしまいます。

ただし相手が離婚を思いとどまれば話は別です。たとえばあなたが不倫した場合でも、相手が許してくれて夫婦関係を修復していく方向で納得すれば、離婚を避けられます。

有責性がある場合に離婚を避ける方法

不倫や暴力などの有責性があるけれど離婚を避けたい場合、相手が離婚を思いとどまるように精一杯説得しましょう。まずは真摯に謝罪して「二度と同じ過ちはしない」と誓います。相手に誠意が伝われば許してもらえる可能性もあります。

なかなか納得してもらえない場合には「今度同じことを繰り返したら離婚に応じて慰謝料も払います」など一筆差し入れると効果があるケースもみられます。

有責性やその他の離婚原因がない場合

こちらに不倫や暴力などの有責性がなく、その他にも特に法律上の離婚原因がない場合があります。たとえば相手が「性格が合わないから離婚したい」「あなたの実家と合わないから離婚したい」などと言っている場合です。

有責性や離婚原因がない場合、裁判をされても離婚が認められない

こういったケースでは、相手が訴訟を起こしても離婚は認められません。法律上の離婚原因がないので請求棄却されて訴訟は終了し、戸籍上の夫婦関係が継続します。こちらが望まないのに強制的に離婚される心配は要りません。

ただ戸籍上で夫婦関係が残っても実質的に夫婦でいられるかというと、話は別です。相手が家を出て行って別居状態になる可能性がありますし、同居していても家庭内別居状態になってしまうでしょう。そういった状態を避けるには、相手としっかり話し合うことが大切です。

有責性や離婚原因がない場合の対処方法

こちらに明確な有責性がないのに相手が離婚を求めてきたら、まずは相手に「なぜ離婚したいのか」を尋ねましょう。

返答次第では、こちらが改善することによって夫婦関係を修復できる可能性があります。

たとえば「あなたの〇〇なところが気に入らない、耐えられない」ということであれば、注意してその点をなおす努力をします。すぐには変われないかもしれませんが、少しずつ変えていくことは可能です。変わっていこうと努力している姿を見れば、相手の気持ちも和らぐ可能性があります。

また、相手からどれだけ強く離婚を求められても「応じない」姿勢をもつことです。有責性や離婚原因がない場合、相手がどんなに強く離婚を求めても最終的にあなたが同意しないと離婚は成立しません。根負けして離婚届に署名押印したら離婚が成立してしまいますが、それだけ避けていれば無理に離婚させられる可能性はありません。

離婚届不受理申出をする

有責性がある場合でもない場合でも、相手が離婚を求めていてあなたが離婚したくないなら、役所で「離婚届不受理申出」をしましょう。これは「申出人の意思確認が取れない限り離婚届を受理しない」ための申請です。離婚届不受理申出が受け付けられると,その後に相手が単独で役所に離婚届を提出に来ても受け付けられなくなります。

離婚届不受理申出をしていない状態で相手が役所に離婚届を持ってきたら、役所は受け付けてしまいます。「離婚したい」気持ちが強い人は、ときに配偶者欄の署名押印をして偽造の離婚届を作成し、役所に持参するケースも少なくないので要注意です。

役所で「離婚届不受理の申出をしたい」と伝えると簡単に手続きできるので、できるだけ早めに行いましょう。

離婚調停を申し立てられたら

離婚を拒絶し続けていると、相手から離婚調停を申し立てられる可能性もあります。

ただ、調停をおそれる必要はありません。調停では離婚を強制できないからです。協議の段階と同じように離婚を拒絶し続けていれば調停は不成立となって終了します。

ただしあなたが不倫したり暴力を振るっていたりして有責性がある場合には、調停が不成立になった後で相手が訴訟を起こすリスクが高くなります。

調停を有利に進めるには弁護士に依頼するのが効果的なので、迷ったときにはお早めにご相談下さい。

相手が家を出て行った場合

離婚を拒絶し続けていると、相手が家を出て行ってしまうケースも多々あります。

別居されたからといってすぐに離婚が成立するわけではありませんが、婚姻費用が発生する可能性があるので注意が必要です。

相手が専業主婦などであなたに収入があると、あなたは相手に毎月生活費を払わねばなりません。相手が勝手に家を出ていったとしても、生活費を払わないと「悪意の遺棄」という有責事由とみなされる可能性が高まります。

反対に相手が一家の大黒柱であなたが主婦などのケースでは、出ていった相手に生活費を請求できます。妻が離婚に応じないとき、夫が別居を強行して生活費を払わず「兵糧責め」で離婚を迫ろうとするケースもありますが、そのような不当な対応は認められません。困ったときにはすぐに弁護士までご相談下さい。

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