離婚をしようとするとき、とにかく結婚相手と離れたい一心で不利な条件で離婚をしてしまうことはよくあることです。しかし、離婚後はがらりと生活環境が変わりますから自分の意見、権利ははっきり主張すべきです。後悔しない離婚をするために、本記事では離婚を進める前に準備しておかなければならないことを解説します。
目次
離婚を切り出す前に準備すべきこと
離婚の可否、有利不利は証拠ですべてが決まります。それゆえにまずやらなければならないのは証拠集めです。離婚の原因は、不倫やDV、価値観の相違など様々です。離婚を切り出してしまうと普通は証拠収集が極めて難しくなりますから、静かに証拠集めをしましょう。証拠の集め方としては以下のような方法があります。特に慰謝料の額は証拠の内容により大きく左右されます。感情的にならず、冷静に証拠収集をすることが重要です。
日記、メモ
意外に思われるかもしれませんが、相手の行動や言動をその都度日記やメモに詳細に書き留めたものでも証拠になります。特に日記やスケジュール帳にその日のうちに書き留めておくことは、信用性が高い証拠として判断されることもあります。
その他、家計簿なども生活費が渡されていないことの証拠となります。
録音
相手のあなたへの発言を録音します。DVやモラハラが離婚原因のときに特に有効です。相手の了解を得ていなくても証拠としての有効性が落ちることはありません。
写真・録画、探偵の利用
離婚原因が浮気や不倫である場合は探偵を利用して浮気現場の写真を取得するのが最も有効な証拠となるでしょう。
DVの場合は暴行を受けたことによるけがの様子や破壊された家具の写真、その他家事放棄や育児放棄の様子も写真として撮影することで証拠となります。
LINE・メールなどの記録
浮気相手とのやりとりやモラハラのメールをスクリーンショットなどで保存したものも証拠となります。この際、メール全体の流れから不貞行為や精神的DVが認定されることもありますので、SNS上のやりとりは可能な限り全て保存しておいた方が良いです。
預金通帳・給与明細・ローン計算書など
相手名義の預金通帳など財産がわかるものをコピーしたり写真を撮ったりしておくと、財産分与の際に財産の隠ぺいを防ぐことができます。
離婚の交渉時に注意すべきこと
安易に合意をしない
証拠を固めて離婚を切り出した後は、離婚後の親権、慰謝料、財産分与、養育費等の取扱いについての合意をするための交渉段階に移ります。ここでまず注意すべきなのは相手の威圧や一時的な感情に任せて安易な合意をしないことです。離婚に関する事項の協議は夫婦間の力関係によって決まることも多いです。万が一相手方の暴力などに離婚協議書への署名押印を求められ、書面が作成されてしまうと、あとから裁判で協議書の内容と異なる養育費や財産分与の請求をすることは大変困難となります。相手方の威圧により公平な離婚協議書の作成に不安がある場合は、弁護士など第三者に交渉を依頼することも可能ですので、安易に署名押印をすることは避けなければなりません。
離婚協議書の作成
次に注意すべきなのは、合意ができた場合に離婚協議書を作成しておくこと、特に公正証書として離婚協議書を作成しておくことです。離婚協議書は作成しておくことで金銭の支払いを得るのに役立ちます。特に公正証書として離婚協議書を作成しておけば、即座に強制執行手続きを行い相手の財産を差し押えることが可能ですので、迅速かつ確実な問題解決が可能となります。
弁護士に依頼するタイミング
弁護士に依頼するタイミングはできるだけ早い段階が良いです。当事務所のように離婚事件に強い弁護士事務所では離婚案件を何百件も取り扱った経験があるため、依頼人ごとに収集すべき証拠や今後の活動について的確にアドバイスすることができます。上記の通り、離婚の成功の可否は証拠によって決まりますので、証拠収集の段階で弁護士に相談するのが最良のタイミングであるといえます。逆に証拠収集が満足にできていない場合、離婚裁判の段階で弁護士に依頼しても依頼人の望む判決を得ることが困難になっていることもあります。
また、裁判をしない場合であっても弁護士に離婚協議書の作成を依頼すれば、法律の専門家の立場からアドバイスを受けられるのはもちろん、離婚協議の段階から交渉を一任することができます。弁護士は交渉のプロでもありますので、さらに養育費の額や財産分与について有利な合意ができる可能性が高まります。
上記の通り、離婚に関する事項の協議は夫婦間の力関係によって決まることも多いです。相手方の威圧により公平な離婚協議書の作成に不安がある場合、弁護士に交渉を依頼することで対等な合意を相手方から引き出すことが可能になります。
以上のように離婚手続きの当初から離婚成立まで弁護士を利用することで得られるメリットは大きいといえますので、弁護士に依頼するならばできるだけ早いタイミングでのご相談をおすすめします。